私が公務員を辞め、Sunny Apricotを始めた理由
家族との時間を
私は以前、国家公務員として働いていました。正直言って仕事は大変でしたが、充実感もあり、ありがたいことに人間関係にも恵まれていたと感じています。
ですが、ある日突然、当時7歳だった娘が、何の前触れもなくある病気を発症しました。
もともと出張や単身赴任などで家族と一緒に過ごせる時間が限られていましたが、この出来事をきっかけに、家族と向き合う時間の大切さをこれまで以上に強く意識するようになりました。
一方で、家族に急な対応が必要になったとき、すぐに動ける働き方と、それまでの仕事を両立することは簡単ではありませんでした。
悩み抜いた末、私は退職し、転職ではなく自ら起業する道を選びました。その方が、急な対応が必要になった時でもすぐに動くことができると考えたからです。
周囲の人たちは皆驚いていましたが、何より私自身が、まさかこのような道を歩むことになるとは全く想像していませんでした。
家族みんなが好きなものを仕事に
せっかく起業するからには、家族みんなが好きなものに携わりたい。そして、自分の手で、本当に良いと思えるものを、納得できる形で多くの人に届けたい。
ふと思い返すと、家族で過ごす時間の中には、いつもお茶がありました。なかでも抹茶は、家族みんなが好きで、見た目の美しさだけでなく、香りや味わい、ほっと一息つける時間そのものに魅力を感じていました。
一方で、抹茶には「作法が難しそう」「道具が必要」「どうやってアレンジしたらいいかわからない」といったイメージもあります。もっと自由に、日常の中で楽しめる形にできないか。
そしてそれをいろんな所で多くの方に提供できたらおもしろそうじゃないか。キッチンカーならそれができるかもしれない。
そう考えたことが、現在の事業の出発点です。
宮城の四季と、京都の伝統を一つに
私が暮らす宮城県には、いちごやブルーベリー、梨、柚子など、地域ごとに大切に育てられている果物があります。そうした地元の素材と、日本の伝統である抹茶を組み合わせれば、これまでにない楽しみ方を提案できるのではないかと考えました。
そこで誕生したのが「仙台いちごの抹茶ラテ」です。試しにキッチンカーで提供したところ、定番の抹茶ラテに次ぐ人気商品となり、繰り返し飲みに来てくださるお客様も増えていきました。
これをきっかけに、「石巻ブルーベリーの抹茶ラテ」、「利府梨の抹茶ラテ」、「雨乞の柚子の抹茶ラテ」と、宮城の春夏秋冬を代表するフルーツと抹茶ラテのコラボレーションを開発するに至りました。
2026年5月現在、起業して2年目になりました。ありがたいことに様々なご縁に恵まれ、起業初年度から仙台を代表する大きなイベントなどにも出店する機会をいただきました。
キッチンカーで提供する宮城産のフルーツの抹茶ラテは、「抹茶と合うと思わなかった」「見た目がかわいくて、味も想像以上においしい」と、多くのお客さまから反響をいただいております。
そうした現場での一つひとつの反応が、「抹茶の楽しみ方には、大きな可能性がある」と、自分自身を後押ししてくれました。
キッチンカーから、全国のご自宅へ
そして2026年春には、キッチンカーで提供してきたフルーツ抹茶ラテをご自宅でも楽しんでいただきたいという思いから、Makuakeに挑戦しました。
ありがたいことに、目標を大きく上回る応援をいただき、「自宅でも気軽に楽しみたい」「大切な人への贈り物にしたい」といった声も数多く寄せていただきました。
子どもたちの名前を、この店に
そしてその声に背中を押され、2026年5月、より多くの方へお届けするためにオンラインストア「Sunny Apricot」を開設しました。
オンラインストアにも、キッチンカーと同じ「Sunny Apricot」の名を掲げています。
この名前は、私の二人の大切な子どもたちの名前を、それぞれ英語にしてつないだものです。家族との時間を大切にしたいという思いから始まったこの事業にとって、その原点を象徴する大切な名前です。
京都の有機抹茶を中心に、宮城の旬の果実との組み合わせはもちろん、抹茶そのものの味わいや、シェイカーで気軽に楽しむ時間まで。難しい作法にとらわれず、それぞれの方に合った抹茶の楽しみ方を届けることが、Sunny Apricotの役割だと思っています。
その積み重ねが生産者さんや販売者さんとの新たなつながりを生み、地域がさらに元気になっていく。
そんな流れを作れたら、これほど嬉しいことはありません。
※ なお、娘はその後、症状に合う薬が見つかり、今では元気に過ごしています。